ISOの普及拡大を願う会(IFKK)
亀岡孝三郎 

(私のホームページはここをクリックして下さい。)

アクセスカウンター

あなたは アクセスカウンター 番目の訪問者です

   ISO規格の2015年全面的改訂について

 

〔品質ISO〕や〔環境ISO〕などの国際規格は、2006年頃からすべての〔ISOマネジメントシステム規格〕の整合化に向けた活動が進められていたが、2011年にすべての規格の共通テキストとして「Annex SL」が発行された。その結果、これに基づいてすべての規格の章立てや用語が統一されるとともに、〔品質ISO〕や〔環境ISO〕などの規格が2015年に向って一斉に改訂されることになった。

 その主要な改訂内容は、今年になって発行された「DIS」(国際規格原案)では①マネジメントシステムのパフォーマンス(成果)の向上、②事業プロセスとの統合、③リスク思考の取組み などが求められたことである。

 しかし、これらの基本的な理念は現在の規格でも何らかの形で埋め込まれたいたことばかりであるが、今回の改訂でより一層強調されたこれらの方向を、すべての組織が真摯に取り組んでいただければ認証取得効果は、格段に向上すると推察される。
                     
                                                                                   2014年11月3日 亀岡 孝三郎

JAB 第2回 マネジメントシステム シンポジウムに参加して

 公益財団法人 日本適合性認定協会(通称JAB)では、 第2回 マネジメントシステム シンポジウム を「複数のマネジメントシステム規格を効果的に使う」をテーマとして、2014年3月13日、有楽町朝日ホールで開催されました。

 これは、以前から毎年開催されて来ました「環境ISO大会」と「ISO 9001公開討論会」との二つのイベントが、咋年より合同して開催されるようになり、名称も新しく「マネジメントシステム シンポジウム」と改称されたものです。今年はその「第2回」目であり、私も参加し、受講してきました。

 今回は「品質ISOや環境ISOなど二つ以上のマネジメントシステム規格を効果的に活用する」方法が主要なテーマでしたが、最初に 筑波大学 山田 秀 教授 より、来年の2015年に改訂発行される予定の「マネジメントシステム規格」の開発動向として ISO 9001 を中心に基調講演がありました。

 なお、当日・参加者に配付された「質問表」で、私は≪今回の改訂は規格としては確かに良くなると思いますが、一般の組織(特に中小企業)はどのように受け止められるでしょうか。認証登録が普及拡大するでしょうか。不確かさの影響などの言葉が出てくるなど規格が難しくなり、今後は社会のISO離れが進みませんか≫と記入して提出しましたところ、当日のコーディネーターやパネリストから≪規格改訂は制度普及には関係が無い。まず新しい規格の仕組みに慣れていただくことが必要である≫と回答をいただきました。まったくその通りであり、当り前のことですが、私としては、規格改訂の機会に要求事項が一般にもより理解され易くなり、ISOに取り組むことによって企業が成果を揚げ易くなることが望ましいことであると思いました。

                                             2014年4月 記

JAB 第1回 マネジメントシステム シンポジウムに参加して

 2013年3月5日、有楽町朝日ホールで開催されたJAB主催の 第1回 マネジメントシステム シンポジウム「マネジメントシステムにおける最近の課題とその対応」に参加してきました。

 これは、従来・毎年開催されてきました「環境ISO大会」と「ISO 9001公開討論会」との二つのイベントが、今年より合同して開催され、名称も新しく「マネジメントシステム シンポジウム」になったものです。

 今回のテーマは「最近の課題とその対応」として、次期・規格改訂の方向と複数MS規格を効果的に活用された事例報告が主体でした。

 なお、当日・参加者に配付された「質問表」に私は2件を記入して提出しましたところ、当日・基調講演と質疑・応答のコーディネーターを務められた中條武志先生から、会場で回答が表明されました。一つは、次期9001の改訂で「予防処置」が表面から消え去ることは非常に残念であり、共通化のテキストの中でも規格独自の内容は追加してよいはずなので残してほしいとの希望でしたが、回答では規格全体のリスク管理の中で対応していくことになったとのことでした。二つ目は、現在計画されている「マーケットサーベイランス・ビジット」は審査の質を向上させる一つの手段として期待しているが、どのように実施されるのかと質問したところ、中條先生はこれはJABの問題であるが、≪どのように審査されていたか評価は出来るが、そこからどのような改善が動くかはまだわからない≫とのことでした。

 私としては、ISOの第3者認証制度がより以上改善され、全国的に認証登録が普及拡大していくことを改めて強く祈念した1日でした。

                                                 2013年5月 記
JAB ISO 9001 公開討論会に参加して
 
  2012年3月13日、JAB主催の「ISO 9001公開討論会」が“ISO 9001認証のブランド価値を高める”というテーマで開催され、私も参加させていただきました。
その際行われました「パネルディスカッション」での事前質問と回答がJABウエブサイト「新着情報」2012年5月16日付け記事”第18回 JAB/ISO 9001公開討論会 報告(概要)”に掲載されていますが、その中で私の質問とTC176国内委員長の飯塚先生他の回答は次の通りです。
<整理番号NO.7>
質問「昨年、JIS Q 17021が改訂され、審査員の力量がより明確に規定されました。認証機関が適切に運用すれば、審査の質が向上し、不充分なQMSで認証されていた組織が少なくなり、結果としてISO 9001認証の社会的評価が高まると期待しています。ところが一方で、審査員の評価(事業分野に関する深い知識、X+)において、認証機関がいい加減に対応すれば、従来と何ら変わらないと予測される方も多くいらして、非常に残念です。今回の改訂に対し、認証機関はどのように改善すべきであるとお考えでしょうか」
回答≪ISO 17021の改訂、それに伴うJISQ 17021の改正によって、審査員の力量評価の枠組みは明確になりましたが、力量の基準が厳しくなったわけではありません。これまでの、審査員の自己評価や経験に基づく漠とした評価から、審査員に求められる力量の要素が明示され、必要な力量の構成要素が明確に示され、改訂前に比べ、力量判断の基準が詳細に求められるようになりました。しかし、要求される力量レベル表にある「+」の意味は、相変わらず不明確で、どれほどの効果があるのか分かりません。各認証機関における「+」のとらえ方、判断については、各認証機関の見識に期待しますが、認定審査において厳格に確認する必要があると思います。力量評価の方法や、その結果としての審査員の力量に看過できないバラツキがあるようなら、認定審査において認証機関における基準の理解、判断根拠を詳細に確認するようにしてほしいと思います。≫
<整理番号NO.27>
質問「WG3では、業界全体での供給者管理コスト削減を提言されていますが、買い手側の制度活用によるコスト削減効果よりも、売り手側(認証企業)の手間とコストの方があまりにも大きいのが、現状ではありませんか。認証制度をスリム化して、審査費用を引き下げることによって、中小企業にもっとISOを普及拡大させることが、最大の制度改革ではありませんか」
回答≪認証組織の手間とコストがあまりにもかかり過ぎるということについては、必要な手間はかかるのかもしれませんが、ちゃんとやっていれば手間というのは増えるはずはありません。認証企業、認証機関とも、ISO 9001と認証制度を正しく理解されれば不必要な手間は増えないはずです。また、コスト削減を目的にしてしまうと、現状の制度そのものの質を上げなければいけない現状を考えると難しいのではないか、もっと別の制度なり何かを考える必要があるのではないかと思います≫
なお、整理番号NO.7に対する飯塚先生の回答は私の質問の意図をよく汲み取っていただき、御丁寧に対応していただき感謝しておりますが、NO.27の方はどなたが回答されたか判りませんが、コスト削減に関してはISO制度上では考えられないとのことであり、少し残念な気が致します。当日・会場で私はマイクをとってこのことについては、中小企業の認証促進を図るために「初回審査では審査項目を内部監査やマネジメントレビューなど主要項目のみに限定して審査し、サーベイランス審査や再認証審査を通して全項目を審査するなど、何か審査工数の削減を配慮できないものか」「認証の登録書は決して卒業証書ではなく、単なる入学許可書に過ぎないことを社会がもっと理解していただければ、このように段階的に審査していくこともあり得るのではないか」と質問しましたところ、飯塚先生から「審査工数の削減には、何か検討する余地があるかもしれない」と言及いただいたことが印象に残っています。                                               2012年6月1日 記
 (なお、ホームページの転載についてはJAB殿の了承をいただいております)
JAB 環境ISO大会の参加について
 
   2012年2月14日、JAB主催の「環境ISO大会」が開催され、私も参加してきました。
今年度のテーマは“地域社会と組織を支える環境ISOとその将来展望”(東日本大震災を乗り越えて~)でしたが、その内容は先ずJAB井口専務からマーケットサーベイランス訪問という新しい制度の説明などがあり、次にTC-207国内委員長の吉田先生からマネジメントシステム規格(MSS)の共通要求事項の開発と次期ISO14001の改正方向の報告がありました。
  そして、当日のメインテーマとして、摂南大学・山本先生の司会のもとに東日本大震災における「地震・津波・原発事故・節電対応へのEMS活用」に関して、3社から発表がありました。そこで私はISO14001の認証取得が大震災への対応でどれほど役立ったのか期待して聴講しましたが、事故及び緊急事態の対応手順により避難や復旧の活動に若干の効果があった程度と思われ、
ISOを取得していなくとも大会社はどこでも避難訓練や復旧工事の準備は備えていることであり、元々環境ISOは災害対策のための規格ではないため過剰期待は無理であることを再認識しました。                                                                                                                                                  2012年3月1日記

〔JIS Q 17021〕の改訂について

 私は小規模工場の経営者や管理責任者としてISO活動に取り組んだ体験から、ISOは会社の事業経営にとって本当に役立つものであると確信しています。そして、多くの企業が成長し、発展していくために、今後・ISOが日本の社会により広く普及拡大していくことを願ってきました。そこで、私は現在の登録件数の衰退傾向は、2013年頃には脱落する組織の減少で終息し、2015年頃からは少しずつ増加基調に戻るものと予測しています。
 その理由は、今回の〔JIS Q 17021〕(適合性評価―マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項)の2011年改訂によって、認証機関の力量が従来の審査の規格19011より厳しく且つ明確に規定されたためです。例えば、今後の認証機関は審査「依頼者」(組織)の事業分野における経験だけではなく、依頼者の【製品とプロセスの知識】を持った審査員を起用しなければならないことになりました。従って、新規格が完全適用される2013年以降は、認証機関がこの新改訂の意図に厳密に対応するならば、高度の専門性を知識で証明できる審査員を多数に確保できる機関しか生き残れないと推測するからです。即ち、認証機関が自然淘汰されるということは、認証機関の過等競争が緩和され審査の質が向上することによって、認証登録された組織が認証取得の成果を確実に生み出すことになると思うからです。
(いいえ、そうなっていくことを切に願っています)       2011年9月25日  

2011年度 JAB/ISO9001公開討論会について

 去る5月30日にJAB主催の「第17回ISO9001公開討論会」が開催され、私も参加させていただきました。
 その中のパネルディスカッションでの質問に対する回答がその場での回答だけでなく、後日JABのHPで公開されています。このようにその場限りの口頭による回答だけでなく、公式に文書に残した回答は大変有難いことと思います。
 私は二つの質問をしましたが、その質問と回答の内容は下記の通りです。
①≪ISO9001の効果にには限界があるとのことですが、品質マネジメントシステムが充分確立していない中小企業には、認証取得することで非常に大きな効果を生み出すのではないでしょうか≫と質問しましたところ、コメンテーターから≪確かに、もしQMS基盤の不十分な組織がISO9001を適用すれば大きな効果があるでしょう。一方、ISO9001モデルの限界とは、顧客と合意した仕様に適合する製品の提供能力を実証し信頼感を与えるものであって、競争力のある製品を持続的に提供するためのQMSモデルではないということです≫と回答をいただきました。
②≪今回、能力実証型審査という新しい表現を使用されていますが、ISOが第3者認証制度である限り、規格が意図している要求事項に適合していることが前提であり、有効性を含めて適合していることを正確に審査することがすべてではありませんか≫と質問しましたところ、コメンテーターから≪質問者の読み取られた通り、本質的には「適合性審査」と何ら変わるものではありません。今回はこの本質を可視化することに一定の意義があると考えました≫と回答をいただきました。
 私としては、このような回答に大いに納得し、その通りと感服いたしました。   7月3日

適合性審査と有効性審査

 未だにこの二つの言葉の使い方に混乱があるように思われます。
1年程前にJABが≪適合性審査と有効性審査は別物ではない。有効に機能していなければ適合しているとはみなされない≫と明確に判断したにも拘わらず、今でも「適合性審査から有効性審査へ」とか「適合性審査プラスα」とか「従来型の適合性審査から」といった表現をあちらこちらで見掛けるのは残念です。そして、逐条型審査を適合性審査として、有効性を審査するのが有効性審査であるとの主張もみられます。このように二つが違った活動と解釈されている方が今でも居られるようです。
 私はそうではなくて、有効性審査こそが即ち適合性審査であると思っています。        平成23年7月2日 亀岡孝三郎

2011年度 JAB環境ISO大会について

 去る2月17日に東京.有楽町朝日ホールにて、JAB主催による今年度の「環境ISO大会」が開催され、私も参加してきました。
 ここでは今年度のテーマが『情報開示』(環境ISOの信頼性向上のために)でしたが、最後の質疑応答の時間になってある認証機関の方が次のようにコメントされました。
≪情報開示は必要なことであり決して反対しないが、認証を登録してホームページに公開した翌日には、他の認証機関から当社では審査費用をずいぶん安くしますとその登録組織にFAXが届くのが現状です。このような現状を踏まえて慎重に進めてほしい≫
これに対して、パネルディスカッションのパネラーを務められた方からも≪私も同様の事実をよく知っている≫と表明されました。
 このような問答をお聞きして、私は「どんな時代でもどんな商品でも、自由主義である限り価格競争は避けられないことであり、一番の解決方法はISO市場のパイを拡大すること、即ちISOの普及拡大を図ることであると痛感しました。

私の主張

① コンサルタントは組織に短期の認証取得をお勧めするべきでない。(システム構築は少なくとも1年以上必要
② コンサルタントは初回から統合システムをお勧めするべきでない。(統合前に各3年の実績が必要
③ コンサルタントは自分の業務経験の無い業種の認証取得コンサルをするべきではない。
④ コンサルタントはマニュアルや手順書は自ら作成するべきではない。(サンプルを渡して組織で作成依頼)
⑤ コンサルタントは自ら内部監査をするべきではない。(やり方をご説明し、組織の自力で実施を依頼
⑥ コンサルタントはJAB認定の有力な認証機関の使用を組織に強力にお勧めすべきである。

⑦ 組織は先ず該当規格の項目別・要求事項の意図を完全に理解していただきたい。
⑧ 組織はマニュアルや手順書をコンサルタントに丸投げせず、自らの力で作成していただきたい。
⑨ 組織は内部監査のチェックリストは自ら作成し、システムの向上に対応して毎回その内容をレベルアップしていただきたい。
⑩ 組織は経営者・管理責任者も内部監査の対象としていただきたい。(但し、経営者の内部監査は利害関係者に依頼していただいて結構です
⑪ 組織の経営者は自らマネジメントレビューを実施し、そのフォローまで(指示・命令が実行されるまで)御自身の責任で行っていただきたい。
⑫ 組織の経営者は自社のマネジメントシステムの有効性(成果を生み出すこと)を自らの責任で高めていただきたい。

⑬ 審査員は自身の業務経験の無い業種では〔品質ISO〕の審査をすることは望ましくない。
⑭ 審査員は初回審査時は、事前準備として組織を訪問して組織の経営者に面談し、現場を見せていただき、組織の業容やシステムの問題点を調査しておくことが望ましい。
⑮ 審査員は初回審査時にはマニュアルを充分チェックし、表記間違いや不適合箇所をすべて指摘するべきである。
⑯ 審査員は初回審査時には全部門・全部署、全項目の適合性を審査するべきである。(省略は不可
⑰ 審査員は「改善の余地があります」「機能していません」「検討していただきたい」など抽象的な表現をしてはならない。どこが何故不適合なのか、組織が理解できるよう具体的に説明するべきである。
⑱ 審査員は不適合箇所をすべて指摘し終わってからしか、グッドポイントを通知してはならない。
⑲ 審査員は適合性を適切に審査することが有効性審査であることを忘れてはならない。

ISOの第3者認証制度ついて御質問や改善のための御意見を、出来る限り具体的に書き込んで送信して下さい。
(公序良俗に反する場合や、ISO制度以外の書き込みは除外させていただきます。そして、サイトオーナーの都合で予告なく消去させていただく場合がありますので、予め御了承下さい)

書き込みいただける方は下記の事項を御記入の上、御質問や御意見を投稿して下さい。

氏名(漢字でフルネームを入力下さい)
区分 □組織、□審査員、□コンサルタント、□その他
住所(所在地の府県名のみで結構ですので、入力して下さい)

コメントをご覧下さい。